「アファメーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
アファメーションとは肯定的な自己宣言、簡単に言えばポジティブな言葉による自己暗示です。
目次
ポジティブな考え方を練習する手段
私たちの思考は自分でも気づかないうちに、「言葉」によって支配されています。
毒親育ちの子供にありがちなのが、「何をやってもダメだ」「自分には価値がない」「人より劣っている」と事あるごとに考えてしまうことです。
そうやって何度も自分に言い聞かせることで、脳はそれを本当のことだと思い込み、どんどんネガティブな考え方になっていきます。
アファメーションは逆に、ポジティブな言葉を言い聞かせることで脳がポジティブな考え方をするようにし、言い聞かせたことを実現していこうとするものです。
いきなり「アファメーションをすれば成功できる」「幸せになれる」「お金持ちになれる」なんて聞くと、ちょっと胡散臭さを感じてしまいますが、ポジティブな考え方をするようになった先には、そういう結果もあるのかなと思います。
毒親育ちにとってアファメーションは「成功するための手段」というよりも、自分を肯定し「ポジティブな考え方を練習する手段」として、とても有効な方法です。
アファメーションのルール
アファメーションはちょっとした言葉選びの違いで、効果が半減することもあれば、逆効果になってしまうこともあるため注意が必要です。
「私は」から始める
自分の心により響き、効果が表れるようにするために「私は」から始めます。
彼女でもあなたでもなく「自分」だということを自分に言い聞かせるためです。
現在形・現在進行形で言い切る
など、「~ている」「~ていく」という形にします。
アファメーションでいちばん効果的だとされているのが未来完了形だそうですが、未来完了形はまだ起こっていない未来のことを既に実現したこととして断言し、感情を先取りして自分に言い聞かせます。
これは、毒親から精神的に自立し、自分のために人生を生きられるようになったら…というイメージで作った例文ですが、このとき注意しなければならないのは、言葉に対して全然自分の気持ちがついていかないときには中止した方が良いということです。
気持ちがついていかない(わくわくする気持ちなどがない)と、いくら自分に言い聞かせようとしても「全然開放的ではない」という抵抗の方が心に刷り込まれてしまうからです。
願望形にしない
多くの人がよくやってしまうのが「~になりたい」という願望形で、これは良くありません。
たとえば「私は豊かになりたい」だと「私は今は豊かではないけれど、いずれ豊かになりたい」と、今はそうではないということが強調されて心に残ってしまい、ポジティブなイメージではなくなってしまうからです。
ネガティブな言葉を使わない
また、ネガティブな言葉やマイナスの感情を思い出すような言葉は使わないことも大切です。
次の文はどうでしょうか。
「親」というキーワードから、過去の嫌な体験や悲しい気持ち、親に対する罪悪感などが浮かんでくる人もいるはずです。
そのような場合は「親」という単語を入れずに、ポジティブな気持ちになれる文を考えましょう。
文の頭に「なぜか」をつける
もし、どんな文を考えても、どうしてもポジティブな気持ちになれないときには、無意識に自分で心にブレーキをかけている場合があります。
「自分なんかが幸せになるわけがない」と知らず知らずのうちにブレーキをかけていたら、いくら「私は幸せです」と言ってみたところで素直にそう思えるはずはありません。
そんなときには、文の頭に「なぜか」をつけてみてください。
「なぜか」をつけると、「(自分なんかが幸せになるわけがないけれど)なぜか私は幸せです」と、心のブレーキのあるなしに関わらず、肯定することができるようになります。
自分の意思や気持ちと関係なく、なぜか勝手に幸せになってしまうんだから仕方ないですね!
まとめ
アファメーションのルールは次の通りです。
- 「私は」から始める
- 「~ている」「~ていく」という形で言い切る
- 願望形にしない
- ネガティブな言葉を使わない
- ポジティブな気持ちになれないときは文の頭に「なぜか」をつける
何度も何度も言い聞かせれば、脳はそれが本当のことだと信じるようになります。
自分を肯定し、ポジティブな考え方をする練習にお役立ていただければ幸いです。