毒親も、毒親に育てられた子どもも、世間体や人の目をとにかく気にする傾向があります。
世間体が悪くなることをひどく恐れるため、子どもが引きこもりになった場合、それを隠そうとしてしまうのす。
第三者に相談したり理解を得ることができないため、家の内側に問題を抱え込み、隠し、親自身も引きこもりのようになってしまうこともあります。
また、日常的にDVがあり、共依存に陥っている夫婦にも同じことがいえます。
引きこもりの長期化
子どもの気持ちを尊重しようとする姿勢は、とても大切です。
しかしその意思は、前向きなものなのか、どこまで尊重するべきなのか。
引きこもりの子どもをもつ親は、子どもの言葉だけを鵜呑みにせず、慎重に考えなくてはなりません。
間違った「意思の尊重」
社会との関わりのない期間が長くなるほど、外に出るのがどんどん難しくなり、環境が変化することへの恐怖も強くなっていきます。
外へ出かける提案をしても、簡単には動けません。
それなのに、「外に出たくない」という本人の意思を尊重しても、引きこもりが長期化するだけで解決するはずがないことは明らかです。
本人の意思を鵜呑みにせずに介入することも、時には必要になるのです。
また、引きこもりの子どもは知識や経験に乏しいといえます。
リアルでの経験がなく、知識も、ネットから得たものばかりだからです。
引きこもりになってしまった子どもは、自分でも「引きこもりを克服したい」と思いながらも、どうしたら良いのか分からない場合もあります。
もしかしたら「引きこもりを克服したい」のかどうかすら、分からないこともあるかもしれません。
そんな時、親がアドバイスをしたり相談に乗ることもなく、ただ子どもの言葉を鵜呑みにしていたらどうでしょうか。
やはり解決へは向かわないでしょう。
言葉の表面だけでなく、その言葉の裏には、子どものどんな気持ちがあるのか考えることが大切です。
親自身が子離れできているか考える
親と子どもの仲がとても良く、「友達親子」と呼ばれるような関係にも、共依存の危険が潜んでいます。
親が子離れできておらず、「引きこもりを克服してほしい」と言いながら、いざ子どもが自立しようとすると寂しさを感じ自立しづらい状況にするのです。
子どもはそんな親の気持ちを敏感に察するため、自立できなくなってしまいます。
そのような親子の場合は、まず親が精神的に子どもから自立しなくてはなりません。
決断したら引き下がらない
子どもからの暴力がある場合、親が子どもの本心や意思を聞き出すことは難しいといえます。
また、引きこもりになってから1年以上が経過している場合、子どもの意思を尊重しても引きこもりが長期化するだけの可能性もあります。
そのような場合、支援団体や業者など、第三者の介入が必要です。
親自身も第三者の介入には、抵抗を感じるかもしれません。
これまでの環境を壊そうとする存在を、子どもも拒否するでしょう。
しかし、自分と子どもの将来を考えてみたとき、一生引きこもりのままで良いはずがないことも理解できると思います。
外へ出るようになった子どもの姿を想像してみてください。
楽しそうに学校へ通う姿でも、一生懸命働く姿でもいいです。
すべきことを、今度は親が決断する番です。