機能不全家庭で育った人は、我慢することや諦めることが癖になっていることが多いです。
親から自分の気持ちを否定され、無視され続けたために、いつの間にか自分自身で気持ちを否定するようになってしまうからです。
幼少期に抑え込まれた本当の気持ちや本当の自分を、インナーチャイルドとも呼びます。
心に傷を負った、子ども時代の自分です。
本当にやりたかったことを思い出しインナーチャイルドを癒やすことで、次第に本来の自分を取り戻すことができます。
やりたかったことや欲しかったものを思い出す
まずは自分に、「やりたいことをやっても良いんだ」「欲しいものを手に入れても良いんだ」と教えてあげることが大切です。
これはアダルトチルドレンの特徴でもある、低い自己肯定感を高めることにも繋がります。
我慢することも諦めることも、無意識に行っていることがほとんどなので、気になったことや思い出したことをメモして、実際に手に入れてみましょう。
高額なものはお財布や家族と相談する必要がありますが、自分で自由に使えるお小遣いの範囲なら、どんどんやってみてください。
今やってみたいこと、欲しいもの。
学生時代にやってみたかったこと、欲しかったもの。
幼少期にやってみたかったこと、欲しかったもの。
どんどん遡って、叶えてみてください。
昔欲しかった消しゴムだったり、かわいいペンだったり、どんなに小さなものでも良いです。
大事なのは、手に入れることを自分に許すことです。
誰にも分かってもらえなかった自分を抱きしめる
並行して、昔自分が嫌だったことや、悲しかったことを思い返します。
あのとき、どんなことが嫌だったのか。
どんな言葉に傷ついたのか。
本当はどうしたかったのか。
本当はどうしてほしかったのか。
もしかしたら憎しみや恨みが倍増して、イライラすることもあるかもしれませんw
では具体的にどこに憎しみを感じるのか?
自分の気持ちと、ちょっと客観的に向き合ってみてください。
紙に書きだしてみるのもおすすめです。
それができたら、当時の自分を抱きしめてあげましょう。
「大変だったね」
「悲しかったね」
「そのままで良いんだよ」
「自分の気持ちを否定しなくて良いんだよ」
「我慢しなくて良いんだよ」
「当時の自分」は、頭でイメージしたものでも、ぬいぐるみや毛布など、実際に手で触れるものでも良いです。
誰にも分かってもらえなかった自分の心を、自分で抱きしめましょう。
そうしたとき、自分の気持ちには、何か変化があるでしょうか。
感じたことを書き出してみます。
もしかしたら自分でも無意識のうちに、自分に対して厳しくしてきたことに気付くかもしれません。
何度も繰り返すことで少しずつ、自信が生まれたり、自分の気持ちを大切にできるようになると思います。
機能不全家庭で育った人の中には、「自分の家庭は機能不全家庭にしたくない」「子どもを自分と同じような大人にしたくない」という思いが強すぎて、かえって子どもに厳しく接してしまう人も少なくありません。
それはもしかしたら、我慢や諦めで自分の感情を否定した状態のまま、本当の気持ちが癒えていないために起こるのかもしれません。
まずはかつての自分の気持ちを受け止めて、許して、抱きしめてあげてください。