大食いの人は、食べることが好きで、食べたあとは満足感や幸福感があります。
それに対して、摂食障害の人は食べたあとに「激しい後悔」を感じることが、大食いの人との決定的な違いとされています。
また、「痩せなければいけない」という強迫観念があるかどうかも、摂食障害の判断基準になります。
目次
摂食障害チェックリスト
当てはまる数にかかわらず、このような症状があったら要注意です。
また、過食症の人、拒食症の人にはそれぞれこのような特徴があるとされています。
過食症(神経性大食症)の特徴
- むちゃ食いをする
自分でも把握できないほどの量を一度に食べ、止めることができない。 - 代償行為を繰り返す
食べたあと嘔吐したり、下剤や利尿剤を乱用する。
また、過度な運動をしないと安心感が得られない。 - 1と2を週2回以上行う状態が3ヶ月以上続いている
- 頻繁な嘔吐によって、頬や顎が腫れたり、浮腫んだりしている
拒食症(神経性無食欲症)の特徴
- 体重が標準体重の85%以下でも痩せていると思えない
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22 - 体重が増えることに異常なほどの恐怖を感じる
- 生理が3ヶ月以上止まっている
生理があると「まだ太っている」と焦燥感を感じることもある。 - 肋骨などの骨が浮き出ている自分の姿を見ると安心する
過食症も拒食症も、はっきりとした境界線で分かれているわけではなく、過食から拒食に転じることもあれば、どちらも繰り返すこともあります。
また、大量に食べるものの嘔吐はしなかったり、咀嚼するだけで飲み込まずに捨てる(チューイング)こともあります。
しかし過食症も拒食症も、尋常ではない食へのこだわりが見られることが共通しています。
周囲の人はどうしたら良いのか
摂食障害の人は、自分の体型の変化に人並み以上に敏感です。
そして、自身の異常性にも気づいており、やめたくて苦しんでいる人も少なくありません。
心に無理矢理踏み込まない
よく、家族や周りの友人などが相談に乗るようアドバイスする人もいますが、私はあまり、そうとは思いません。
なぜなら摂食障害の根底には、それまで育った家庭環境や親による精神的ストレスが潜んでいる場合が多いからです。
学生時代、私自身も摂食障害になってしまったのですが、親は「デブ」などと罵倒するだけで、娘が内面に抱える問題に目を向けることはありませんでした。
摂食障害になるくらい強いストレスの原因が家族だったとしたら、そんな家族が心配して話を聞いてくれ、真に自分を理解してくれるとは到底思えないのです。
さらに、摂食障害の人は、他人との食事をできるだけ避け、自分が摂食障害であることを隠そうとします。
必死に隠そうとしているのに、相手が無遠慮に、自分の心に踏み込んできたらどうでしょうか。
やはり解決へは向かわないのではないかと思います。
他人が直接、過食や拒食をやめさせることは残念ながらできません。
受け入れることが克服に繋がる
しかし、摂食障害の死亡率は、自殺も含め精神疾患の中で最も高いといわれています。
感染症や心不全などの合併症によって、病院へ救急搬送されることも珍しくないのが事実です。
心配だからこそ、何かしなくてはと感じると思います。
そんな時は、力ずくでやめさせるのではなく、受け入れてあげてください。
摂食障害の人は、自己肯定感が低く、自分には価値がないと思っていることが多いのですが、恋人が「ありのままの自分を受け入れてくれた」ことで克服できる場合もあります。
摂食に関する行動を無理にやめさせただけでは根本的な心の問題を解決することができず、また強いストレスを感じた時に再発してしまう可能性があります。
人に受け入れられることでようやく、自分で自分を受け入れることができるようになり、間接的に克服へ繋がるのです。