兄弟差別についてちょっと調べてみると、「親も人間だから、子どもと合う合わないがあるのは仕方ない部分もある」というようなことが書いてあったりしてぎょっとします。
確かに親も完璧な人間ではなく、未熟なところもあるかもしれません。
しかし毒親育ちからしてみたら「仕方なくてたまるか」という感じなのですがどうなんでしょうか。
とはいえ「仕方ないけれども、自分でも扱いに差があると感じるなら今後は気をつけましょう」といった注意喚起も多いので、開き直らず、そうしてもらえるのを願うばかりです。
劣等感があると自己否定するようになる
差別されて育った兄弟の間には嫉妬や劣等感、納得できないモヤモヤした気持ちが生まれるため、仲が悪くなっていきます。
差別によって自分を否定されることで、子どもは自分の能力や価値が分からなくなってしまいます。
差別をする親は、子どもが本来持っている能力や性格などの個性を見ずに、「この子は良い子」「この子は悪い子」と思い込んでいます。
冒頭でも書いたように、単純に性格や感性などが「合う合わない」もあるでしょう。
そして、一度「悪い子」に決定されると、自分を認めてもらうためにどれだけ努力をしても、残念ながら覆ることはありません。
本来なら、親は子どもの良い面をそれぞれ見つけて、認め、褒めるべきです。
テストの点数や、外見だけではありません。
「お友達に優しくできて偉いね」、「お手伝いしてくれてありがとう」、「元気な挨拶ができるって先生褒めてたよ」など、小さな気遣いや行動も、どんどん褒めてあげると、子どもの中で自己肯定感が育っていきます。
しかし、兄弟差別をする親は、目に見えるものだけで「良い子」かどうかを判断します。
たとえば、勉強ができるとか、走るのが速いとか、容姿が良いとか。
すると子どもは、常に周りと自分を比べることが癖になり、不安になったり「自分はダメだ」と感じるようなります。
子ども自身も、自分に価値を見出せなくなってしまうのです。
自己肯定感の欠如した、アダルトチルドレン予備軍の完成です。
親は変わってはくれない
兄弟差別を受け、つらい思いをしている人の中には、「親に自分を受け入れてもらいたい」という願望があったり「親が変わってくれるのではないか」と期待している人もいるはずです。
それが実現したら何もかも解決ですが、正直なところ、親は変わらないと思います。
親に直接訴えてみても、おそらく、自分が傷つくだけなのであまりお勧めしたくありません。
ちなみに私の場合、「私の意見は聞いてくれないのに、どうして弟の意見は聞くのか」ということをずっと訴えていましたが無意味でした。
むしろ「アンタが悪いから」「アンタが口答えするから」と自分のせいにされ、鬱陶しがられてその後ますます邪険にされていきました。
解決策は、悔しい気持ちもあるかもしれませんが、諦めること。
そして、やはり逃げることです。
親がしてくれなかった分、自分で自分を認めて、大切にして、親に支配されない自分の人生を生きることがいちばんだと思います。