両親は、他人に対しては言いたいことも言えないくせに、子供に対しては無神経なことを平気で言う人でした。
子供の気持ちを考えるということはなく、そもそも子供に感情があるなどと思っていないようで、私も弟も自分の気持ちを踏みにじられながら生きてきました。
猫背になった原因
私は小学校高学年くらいから猫背になりました。
理由は大きく分けて2つあります。
1つ目の自分に自信がない理由は、私が母の思い通りにならなかったり、何か失敗をしたときなど、事あるごとにけなされて育ったからです。
また、自分の意見を言うと「アンタは間違ってる」「頭がおかしい」と言われ、それでも意見を曲げないと「アンタには価値がないんだよ!」と怒鳴られたりもしました。
何か失敗したときなどは「だから言っただろうが」と嘲笑され、自信はどんどん失われていきました。
こちらの記事では子供から自信を奪ったり、不幸な子供の姿に喜んだりする母の心理について触れています。
今回は2つ目の、自分の体が嫌いになった理由について書いてみたいと思います。
体の成長に対する無神経な発言
小学生のある日、弟と一緒に家で遊んでいると、それを眺めていた父に「胸大きくなってきたな」と言われました。
当時私は自分の体の変化に戸惑いや、嫌だなという気持ちがあったこともあり、父にそのように見られていたことがとてもショックで、さらにそれを聞いて「そうなのー!私より大きいかも〜」と笑っている母の無神経さが信じられませんでした。
私はなんだか両親に晒し者にされたような気持ちになり、何も答えず自室へ逃げたのですが、父よりも、同性でありながら無神経に笑っていた母が許せませんでした。
母は私くらいの年齢の頃、嫌な気持ちではなかったのだろうか、嫌な気持ちになる自分がおかしいのだろうかと悩んだりもしました。
また、それからしばらくして母から「今日久しぶりに○○ちゃん(私の幼馴染)に会ったけど、アンタより胸大きかったわ」と言われたこともあります。
親子が何でも話すことができる関係なら、そういった会話も冗談めかせてすることができたのかもしれません。
しかし私と母はそのような関係ではありませんでしたし、ネガティブな気持ちと、自分の体に対する嫌悪感しか生まれませんでした。
初潮を迎えた日の無神経な行動
私は自分の体が変化していくのが嫌で、できるだけ考えないようにして過ごしていました。
だからその日は、自分の意思と関係なく「女性」になっていく現実を突きつけられたようで、嬉しいとはまったく思えませんでした。
夕食は赤飯でした。赤飯を炊く風習について、保健の授業でなんとなく聞いた気がしますが、どこか自分とは関係ないことのように感じていました。
もちろん母から、今日赤飯を炊くなんて聞いていません。
父が帰ってきたら絶対に知られてしまうと、とにかく恥ずかしくて、絶望的な気分でした。
夕食時の「なんで今日赤飯なの?」「初潮きたから!」という両親のセリフと、無神経な母に対する怒りが強く記憶に残っています。
信じられないことに今の時代、子供の気持ちを無視してSNSでそれを全世界に発信する親もいるようです。中には、ご丁寧に赤飯や、うつむいた子供本人の写真まで付けて。
もはや虐待の域では…と私なんかは感じてしまいます。
お祝いする風習よりも子供の気持ちを尊重して、それでも何かしたいのであれば二人で下着や生理用品を見に行くくらいで充分ではないでしょうか。嫌な思いをさせるより、女性としての知識を教えてあげる方が何倍も子供のためになるはずです。
猫背になってからも追い打ちをかける暴言
否応なく女性の体つきになっていく自分の姿が嫌で、それからひどい猫背になりました。
そして度々母から「胸を気にしてそうやってるんだろ!」「アンタなんか誰も見てないんだよ!」とキレられるようになりました。
私が猫背になったのはあんたたちが無神経にいろいろ言ってくるからだろと本当は言ってやりたかったです。しかし言ったところで「何が悪いわけ?」「自意識過剰な女」などと余計責め立てられるだけなので諦めました。
胸を気にしていることが分かっているなら、ただそっとしておいてもらいたかったです。
下着を買ってもらえなかったり、生理用品の使い方を誰にも聞けずにいたあの頃が、今のようにスマホで何でも調べられる時代だったらどんなに良かっただろうと思います。
そういう時代だったら、自分の家が変だということにもっと早く気づけたかもしれないし、「頭がおかしい」のは、そう言い聞かされてきた自分ではなく、そうやって子供から自信を奪い続けた両親なのだということも、もっと早く知ることができたかもしれません。