人間関係リセット症候群(リセット癖)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
私自身、つい最近知った言葉なのですが、身に覚えがあってドキッとしました。
調べてみると、「自分のことだ」と感じている人も多いようで、近年のSNS等の普及によって増加の傾向にあるのかもしれません。
リセット症候群の特徴と原因
リセット症候群とは、住所やメールアドレスなどの連絡先が変わっても相手に教えない、急にSNSをやめたりブロックしたりする、転職する等、それまでの人間関係を突然断ち切ってしまう癖をいいます。
周りからの評価を気にしすぎたり、気を遣うのに疲れたり、自分を演じるのが嫌になったりしたとき、耐えきれなくなって断ち切ってしまうのです。
また、見捨てられることに強い不安や恐怖を感じ、自分が捨てられる前に(傷つく前に)相手を捨ててしまおうとする人もいます。
自己評価が低く、自分に自信がないため、些細なことで「嫌われているかも」と感じ、居心地が悪くなっていくためです。
そして、自分を知っている人のいない、新しい環境に身を置きたいという気持ち、今の人間関係を清算したいという気持ちが強くなります。
引っ越しや転職と比べて、SNS上の関係は、繋がるのも、断ち切るのもとても簡単です。
日常生活への影響が少ないことも、リセット症候群が増える要因の一つだと考えられます。
リセット症候群で怖いのは、一度リセットすると、何度も繰り返す傾向があるということです。
リセットした後は、これまでの人間関係から解放されて楽な気持ちになりますが、暫くしてまた少しでも自分の理想と違ってくると、もう一度リセットしたくなるのです。
そして繰り返すうちにどんどん癖になってしまい、ほんの些細な出来事でも、何かある度リセットして逃げるようになってしまいます。
後になって元に戻りたいと思っても難しく、後悔するケースも少なくありません。
また、リセット症候群は自分が後悔するだけでなく、相手の気持ちを無視し、傷つける行為ともいえます。
ある日突然、相手にメールが届かなくなったり、SNSでブロックされたりすると、悲しみや戸惑いがあるはずです。
それまで(耐えきれなくなってしまうまで頑張って)大切にしてきた人間関係も信頼も、自ら失う結果になってしまうのです。
リセットしたいと感じたときの対処法
もしリセット症候群をやめたいと思うのであれば、ちょっと肩の力を抜いて、楽に考える練習をするのをお勧めします。
人の縁とは、自分でどうにかしようとしなくても、無理せず続けられるものは続いていき、そうでないものは自然と薄れていったりします。
誰かに捨てられるのが怖いから、寂しいからと思っていても、疎遠になっていくのは「ごく自然なこと」です。
だから「今、無理矢理どうにかしなくてもいっか」と、ある意味適当に(!)なって、本当に疎遠になったときにまた考えればいい。
もちろん、苦痛でしかない関係を嫌々続ける必要はないと思います。
そういう時は突然バッサリ切るのではなく、自分のために元に戻れる道を残しておきつつ、ゆっくりフェードアウトしてみるのもひとつの手かもしれません。