毒親とブラック企業は、自分で自分の状況を判断する力や物事を決断する力を奪い、相手を都合よく操るところが似ていると感じます。
また、自信を失い、嫌なことがあっても「自分が我慢すればいいや…」と考えるようになってしまうところもよく似ています。
目次
ブラック企業に勤めていた頃
以前勤めていた会社はブラック企業で、やるべき仕事を終えて定時で帰ろうとすれば嫌な顔をされ、サービス残業は当たり前、身内に不幸があっても休めず、有休を消化しようとすると「そんなもの無いんで」と言われる環境でした。
上司や同僚は機嫌が悪いと会社の備品を蹴飛ばし、八つ当たりされたり、無視されたり、何年もいじめられたりしました。
劣悪な労働環境のため人の入れ替わりが激しく、常に新人教育に追われ、経営難による人員削減で一人当たりの仕事量は増える一方で酸欠状態なのに、「あなたの力を信じているから仕事を任せている」という上司の言葉に誇りを持ち、「私たちでこの会社を守らなくてはならない」という謎の使命感に燃えることもありました。
振り返ってみると異常だったと思います。
毒親とブラック企業は似ている
毒親もブラック企業も、関わりが長くなるにつれて私たちは自尊心が奪われていきます。
自己肯定感がどんどん低くなっていきます。
そうなると、毒親やブラック企業の思うつぼです。
社会の固定観念
日本の社会には、親には感謝しなくてはいけない、親を悪く言うなんてとんでもないことだという固定観念があります。
また、家庭を顧みず、とにかく身を粉にして会社に尽くすことを美徳としています。
これは親の思い通りに子供を従わせるため、そして会社に従う都合のいい人材を手放さないようにするための洗脳です。
毒親育ちは餌食になりやすい
洗脳は、我慢強く何でも一生懸命努力する人や、自己肯定感が低い人ほど餌食になりやすい傾向にあります。
毒親のもとで育った人は、親の言うことに従い、自分の気持ちを抑えて生活してきたはずです。
親に自分の意見を言っても認めてもらえず、人格を否定されても、じっと我慢してきたはずです。
そして、親の期待に応えるために、勉強や運動、習い事など、必死に努力してきたのではないでしょうか。
不幸なことに毒親育ちはその育ってきた環境によって、ブラック企業の思い通りに洗脳される素質が十分にあるのです。
自己肯定感が低いと抜け出せなくなる
また、毒親は子供を否定することで自己肯定感を奪います。
自己肯定感があれば、理不尽な要求をする会社(上司)に強気な態度をとることも、さっさと見切りをつけて転職することもできます。
しかし自己肯定感が低いと、それができません。
私が陥ったのは「ここでうまくやれないのなら、もし他の会社に就職できてもうまくいかないに違いない。そもそもこんな人間を採用してくれる会社があるわけない」という考えです。
毒親とブラック企業から得られるものは少ない
私はこれまで、毒親に苦しんでいるならできるだけ早く離れて自立した方がいいとお伝えしてきました。
ブラック企業も同じで、できるだけ早く辞めた方がいいです。
どちらも、関わる期間が長ければ長いほど、自分が搾取されるだけだからです。
断言しますが、毒親とブラック企業から特別に得られるものは、忍耐力(本来しなくても良かった我慢や努力)、人生を無駄にした後悔、あとは同じような境遇の人にアドバイスできる程度の経験と知識くらいです。
普通に愛情を与えてくれる親、人を使い捨てにしない企業の方が、自分の成長に繋がるものが何倍も得られます。
それでももし辞めることに不安がある場合は、他の会社で働いている人に聞いてみたりして、自分の会社以外の環境を知るといいかもしれません。
ネットで検索するのもいいですが、実際に生の声を聞いた方が現実味が感じられると思います。
いろんな人に聞くうち、会社や自分の状態を客観的に見られるようになるはずです。
自分のために人生を選び取ることは、悪いことではないですよ。