毒親とは、子供を自分の支配下に置いてコントロールし、子供の人生に有害な影響を与える親のことを指します。
アメリカの精神医学者スーザン・フォワードの著書『毒になる親』から生まれた造語で、ここから広く知られるようになりました。
毒親の特徴
子供への暴力、性的虐待や育児放棄(ネグレクト)だけでなく、精神的な虐待や、過度な干渉なども毒親の特徴とされています。
そして、長い間の歪んだ親子関係は子供に深刻な心的外傷を与えていき、将来的には対人関係に問題を抱えたり、依存症に陥るなど、成人後にも影響を及ぼし子供を苦しめます。
今ではテレビやネットなどでもよく聞くようになった「毒親」。
書店でも、関連書籍がたくさん並んでいます。
私が毒親という言葉を知ったのは、まさに『毒になる親』を書店で見かけたことがきっかけです。
「毒」という単語のインパクトとイメージが頭から離れずにいた時、たまたまネットで毒親についての記事を見つけました。
その特徴が自分の両親そのものでかなり衝撃を受け、更にそこから、私の育った家庭は「機能不全家庭」と呼ばれるものだということも知りました。
ショックな気持ちと、これまでよく分からなかった苦しみの原因がやっと分かってほっとしたような、不思議な気持ちだったことを覚えています。
母による影響
娘にとって、いちばん影響力があるのはやはり母親ではないでしょうか。
一般的に、毒母による娘への影響として、同性間ならではの束縛や虐待があります。
無意識に、娘を自分の分身と捉えてしまうところから始まるようで、過度に私物化したりコントロールしたりします。
自分が叶えられなかった夢を娘の意思とは関係なく一方的に託したり、理想の娘に育て上げようと何でも言いなりにさせ支配しようとするのです。
私の場合3歳から塾に通っていたのですが、先生や周囲の大人が何気なく褒めるたび、それを真に受けた母によって、両親からどんどん期待されるようになっていきました。
それから英語の塾にも通い、母が幼い頃習えなかったピアノを代わりに習い、中学受験のため別の塾に通い、期待に応えようとして過ごしていました。
ちょうどその頃、排尿障害(大人になってから調べて分かりました)の症状が出始めてつらい思いをするのですが、病院へ連れて行ってもらったことは一度もありません。
今考えると信じられないのが、私自身もそんな生活に全く疑問がなかったことです。
決して愛情深い母親とはいえない
私が人から褒められれば母は喜んでくれるので、何をするにも人からどう思われるか、褒めてもらえるかどうかを基準に物事を考える子供になりました。
母は、成功は自分のおかげ、失敗は私の出来が悪いせいと考える人だったので、誰か他の人に褒められることはあっても、母から直接褒められることはあまりなかったように思います。
成功すれば「ほらね、私の言った通りにすればいいの」「私が助けてあげたからでしょ」と、失敗すれば「アンタがちゃんとしないから」「アンタのせいだ」とよく言われました。
更に母は完璧主義でもあったので、100%できなければ失敗だと考えていました。
100%のうち、10%でも出来ていない部分があれば失敗。
90%出来たことを褒められることは一切なく、私自身も0か100でしか物事を測れない子供になりました。
そして、100%確実にできる自信がないことは初めからやっても無駄だと避けるようになっていきました。
この癖は大人になった今もなかなか抜けきらず、何かを始めるとき「とりあえずやってみよう」「一回やってみて考えよう」と行動に移すことが私はどうしてもできません。
100%達成できるのか?途中でできないと分かったらどうすればいい?途中で投げ出すなんて許されないのに!という考えでぐるぐるとがんじがらめになった挙句、結局手を出さず諦めてしまうことも少なくありません。
支配型の母親は熱心に娘の世話をすることから、周囲からは愛情深い母親に見られがちです。
娘が周囲に相談しても理解してもらえないことが多く、その苦しみをひとりで抱え込んでしまいます。
その結果、摂食障害や鬱、精神的ストレスが原因の疾患などに繋がることもあるのです。